まず他のグリセリンとは濃さが違います。ある程度は水分が混じっていても良い薬局方VGにあって、ファンタジーのVGは純度99％、即ち水はほぼゼロです。その粘度たるやPGと混ぜるために器にあけた時にすわ蜂蜜か、と思うほど。 もちろん混ぜモノ由来の雑味も皆無。グリ本来の仄かな甘味を感じる事ができます。ただそのまま使うとその粘度故に供給不足に陥る事が多いので、自分はPG20～30 / VG70～80のベース液を作り、それをフレーバー希釈かそのまま吸うかで使っています。 濃いリキッドに飽きた時や蒸気を吸う行為そのものを楽しみたい時などにオススメです。 【追記】同じファンタジーのPGと調合しベース液を作る場合、PG1袋に対し、VG1袋ならPG45/VG55、2袋ならPG30/VG70、3袋ならPG20/VG80となります。どれもおおよその数値で厳密に言えば数％のブレはありますが、ズボラ向け調合レシピとしてご参考までに。

香りはアセロラドリンクそのものという感じなのですが、いざチャージして吸った途端に一気に甘さとケミカル感が際立ち、駄菓子屋で一粒10円で売っているような安っぽい風船ガムの味に早変わりします。 ペンタイプと温度管理の二種の環境で吸いましたが、ペンタイプ‥‥というか低出力で吸うとケミカル感が表に出てチェーンするには厳しい味になります(これはこれで駄菓子食ってる感が半端無くて好きなのですが)。逆に煙量をある程度確保できる環境にすると(例:今回のAPEX)今度はアセロラ感が出てきて「わざとらしいフルーツ味」としてチェーンできる風味に。セッティングによって表情を変えてくるリキッドの気がします。

まず表に立つコーヒー系の苦味、それを下支えするように甘さが乗ってきますが、フレンチバニラと呼ぶほどの香りは感じられず、自分の鼻と舌では「あぁ、ミルク系の甘みがベースにいるな」くらいの感覚でした。 そこから至った一番近い味が「缶コーヒー」。ただしこれはあくまで自分の環境での話であり、甘味を表に出すアトマイザーだとスイーツ系としての表情を見せてくれるはずです(家族が別のアトマで吸った際はバニラ感が出ていたそうです)。

ケンエーグリは実際のグリセリン濃度は85％程で、15％程は水分が混じっています。これが液体としての扱い易さとそれ以上に味わうモノとしての扱いにくさを与える曲者で‥‥。 ○粘度が段違いに低い。供給不足を気にしなくていい安心感。 ○PG無しでも水分の方にある程度はフレーバーが溶ける(溶け方はPGには遠く及ばない)。 ○入手しやすい。何処の薬局でも大概売ってる。 ×かすかに消毒液のような薬品系の雑味が有る。 ×まず水分から蒸発するため、タンク4割吸う辺りまではシャバシャバ感が伴う。 このマイナス面2つがリキッドとして使うには致命的で、どんなアトマに込めても悪い意味で安定した振る舞いを見せ、フレーバー本来の味を殺してくれます。 これを許容出来る、あるいは調合次第でうまく制御できるなら安価かつ入手性も高いベース液として活躍してくれるのではないかと。

鼻に抜ける紅茶の香りと舌に残るラズベリーの甘さ。ペットボトルか紙パック入りのフレーバーティー(微糖)あたりの味を想像して頂けると間違いがありません。 雑味もなく、過度の自己主張もせず、しかし味そのものははっきりしているため、飽きること無く幾らでもだらだらと吸い続けてしまえるリキッドです。

皮の微かな苦味まで含めてオレンジと、そこそこ強めではあるけど辛味にはならない程度のメンソール。これら全てが合わさって「大人のファンタオレンジ」という趣になるのだが、すべての味が前面に出て自己主張をしてくるので1タンク吸う頃には飽きが来る。 ただし不味いわけでは断じて無く、一吸い二吸いで一気に味わうには丁度いいし、他のリキッドを味わっているとまた無性に吸いたくなってくる。濃いジュースのような付き合い方が向いているのかなと個人的に思うリキッドです。